俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~

なずなの元へと体が動きそうになるのを、木嶋さんに引っ張られて引き留められる。

「ダメだ!巻き添えをくらうぞ!」

「でも!」


でも、なずなを残して逃げるわけには…!



「…うあぁぁっ!」



その悲鳴と同時に、ガシャーン!とガラスの割れる音が響いていた。

ピンクのガラスの破片が飛び散って粉々になる。

捩れた竜巻に力で押され、防壁となっていた蓮華曼陀羅陣が消えて無くなっていた。

防御を失ったなずなに竜巻が直撃し、ものの見事にあっという間にぶっ飛んで、壁に叩きつけられる。



蓮華曼陀羅陣が、力押しで破壊された?!



…それは、何を意味しているのか。

なずなが力押しで負けるなど、見たことがないし、想像もつかない。

それほど…この雷帝とかいうヤツは、強敵なのだ。



「ううっ…」



何メートルも風で吹っ飛ばされ、壁に叩きつけられられた衝撃は、ダメージが大きかったのか。

なずなは、地に崩れて踞り、立てないでいる。



『我に指図する愚かな人間よ…』



すると、いつの間にか、雷帝は踞るなずなの前にいて。

上からその姿を見下ろしていた。


< 467 / 503 >

この作品をシェア

pagetop