俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
(………)
…ながらも、隣のずーんと落ち込んだヤツが気になって仕方ない。
明らかに落ち込んでいる。
こんなに本気で落ち込んでるのは、初めて見るんじゃないだろうか。
不安、心配だった。
「…いや、ホントすまん!」
木嶋さんの謝罪の声が室内に響く。
窮地に登場し、この場を治めてくれた菩提さんに、手を合わせて軽く頭を下げていた。
ヤクザの若頭が…。
「いえいえ。木嶋さんも焦らないで。弓削先生と連絡取れなかったら、自分に連絡くれれば良かったのに」
「いや、本当だ。テンパりなすって申し訳ない。結果的には巻き込んじまって」
「大丈夫ですよ」
菩提さんの口調が元の穏やかな感じに戻っている。
さっきのはいったい何だったんだろう。
「なずなサン、大丈夫ですか」
俺達の前にぬぅっと…いや、もさっと現れたのは、音宮陰陽事務所の社員である、あのもさ男だ。
背がやけにひょろっと高くて、長い前髪で目が見えない。
あのもさ男。