俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
「己の力を知れ。今のままじゃ、本当に護るべきものも、手に届く範囲のものすら護れない。…続きは、後だ」
すると、向こうから「音宮の若ぁーっ!」と、やんすマルコメ(丸米って名字なのね…)の声が聞こえて、姿を現す。
「ビルのオーナー来ましたでやんす!フラワーのママが何でか連絡しといてくれたみたいでやんす!」
「胡蝶さんが?有難い」
そう言って、丸米さんの後に続いて行こうとするが。
「…あ、伶士くん」
途中立ち止まって、俺の方を見る。
「あ、あ、はいっ!」
今のお怒りを見てしまったからか、ビクッと慌ててしまうが。
もうすでに、いつもの穏やかな優しい菩提さんに戻っていたので、ホッとする。
「忠晴さんに連絡しといたから。もうじきここに迎えに来ると思う」
「え?あ、す、すみません…」
ギクッとする。
ああぁぁ…忠晴に連絡するの忘れてた。
俺も怒られるわ…。
それだけを告げて、部屋の外へと出ていく。
もさ男(だから名前何だっけ…)も、ボスの後に着いて出ていった。
もさ男は途中振り返って、なずなの様子を気にしていたが。