俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
しかし、普段の強気のなずなからして、こうして泣くなんて想像出来ない。
だから、そりゃ戸惑う。
でも、傍で泣かれるなんて…。
なずなのぐすぐすと泣く声を耳に、どうしたらいいかわからなくなってしまう。
そんななずなの背後でおろおろしていると、ボソリと声が聞こえた。
「わ…私がっ…判断誤ったのは、わかってる…」
嗚咽を漏らしながらも、途切れ途切れに弱々しい声が聞こえる。
胸が…痛い。
「で、でもっ…自分の意思もないまま、ず、ずっと誰かの言いなりになって、死んでゆくなんてっ…そんな人生ないって、思っただけなんだ…」
喋れば喋るほど、声が震えていく。
それ以上喋ったら…壊れそうだろが。
「傲慢なのは、わかってる、でもっ…」
もう、いい。いいよ。
おまえがどうしたかったは、わかるから。
こっちもたまらなくなって、その小さな頭にそっと触れてしまう。
…無理すんな。
「…助けたかったぁ…」
その一言を口にすると、うあぁぁ…と泣き声が溢れだして。
居たたまれなくて、どうにかしてやりたくて。
…その細い身体を、ギュッと抱き寄せていた。