俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
決してハッピーエンドじゃないのに。
これでよかっただなんて。
切ないし、複雑。
胸にしこりの残る結末となってしまった。
泣き止まないなずなを胸の中に抱き止めて、慰めるようにその小さな頭をそっと撫で続ける。
そこで、ドアがそっと開く音がした。
「なずなサーン。帰りますよー…あっ」
(…何っ!)
そこに、登場したのは…あの、もさ男。
ドアを開きかけて中に入ろうとしたもさ男は、固まっている。
やばっ。気まずっ…!
こんなギュッと抱き合ってる姿、見られた…!
「あぁぁ…失礼しました」
そして、再びドアをバタンと閉めた。
何だそれ。
驚く様子も見せずに、普通にドア閉めて撤収しやがった。
何か、ムカつく…!
…いや、どんなリアクション取られても、ムカつくんでしょうけど。