俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
恐る恐るその方向に顔を剥けると。
案の定、うちの執事がさっきの菩提さんに負けないぐらいのお怒りの表情をみせているではないか…!
あわわわ…!
「伶士さま?…こんな時間までどこをほっつき歩いてるのかと思えば、制服姿ですすきのですか…?自分が未成年であること、橘の人間であることの自覚が足りないのではないでしょうか…!」
「いいぃぃっ!ご、ごめんなさい…!」
…その後。
帰りの車の中で、俺も説教をくらう。
忠晴、地獄の説教…!
橘の人間であることの自覚云々、まだ高校生のくせに云々、連絡のひとつでもよこして下さい云々、それはマナーですよ云々、なずなさんとご一緒でしたからよかったものの云々、また誘拐されてしまいますよ云々…そして、また橘の人間云々。
延々と繰り返し…!
もちろん、家に到着してもくどくどくどくど…!
還暦過ぎると、同じ事を何回も今初めて言ったかのように話すという現象が出てきますが。
これは、調子に乗りすぎた報復でしょうか。
今回学んだことのひとつ。
菩提さんと忠晴は怒らせるな。
以上。