俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~




…それから、あのビルでの出来事が夢だったかのように、時が過ぎていく。

朝起きて、学校行って。

授業受けて、夕方部活。たまに空手。

学校で会うなずなも、いつも通りの偉そうな大魔王のなずなで。

落ち込みが後を引いていなかったことに、ホッとした。



俺自身は、あの件から考えている事はたくさんあるけど…。



そんな中。

菩提さんから突然連絡をもらったのは。

あの事件から一週間が過ぎた頃の話だった。

2月も明日で終わり、という頃。




『ちょっと、見てほしいものと話したい事があるんだ。なずなには内緒で』




そう言われて、翌日の部活終了後に会う約束をした。

部活終わったら、学校の裏にあるパン屋さんに来て?と、場所を指定されて。



翌日、部活終わったら速攻パン屋さんへと向かった。

『終わったんで、今からパン屋に向かいます』と、LINEの一本入れて。

忠晴のいう、マナーですからね。マナー。




パン屋の近くまで来たところで、駐車場には菩提さんのあの外車が停まっていた。

エンジンが切られて無人であるところを見ると…店の中にいるんだろうか。


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