俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
おしゃれで、モダンな造りのパン屋さん。
フランスのマーケット街にありそうな。
なずなと忠晴がここでお茶してたのは、知ってるけど。
菩提さんもお茶?パン屋で?イメージないな。
どちらかと言えば、菩提さんは高級バーという感じがするけど。
とりあえず、正面から中へと入ってみる。
ドアを開けた途端、『いらっしゃいませー!』と、女性の声がした。
「…あ、伶士くん、お疲れさま」
「あっ!…お疲れさまです」
すると、目の前にはすでに菩提さんが立っていて、その傍にはコックコート姿の若い女性も立っている。
目が合うとペコリと頭を下げられた。
美人だ。
「じゃあ、そろそろ行くかな。コーヒーご馳走さま。おみやげまで用意してくれてありがとう」
「い、いいえ?剣軌さんもお仕事頑張ってくださいっ!」
「桃李は今週東京に戻るんだっけ?」
「は、はい、今週末に。で、でも仕事は4月からなんで、来月は夏輝の大学の休みに合わせてこっちに戻ってきますね」
「わかった。じゃあその時に」
「はいっ!」