俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
「へぇー。伶士くん、濱岡屋初めてなんだ。じゃあ最初は鉄板の醤油ネギにするといいよ。お腹の弱い人は最初は油で下痢しちゃうけど、三日間通い続ければ平気になるから」
何なんですか、そのうんちくは。
俺を三日間通わせようとしてるんですか。
「いつも大ヤマ終わったら、なずなや玲於奈とみんなで食べに来るんだ」
そして、店内に入ると、独特の豚骨の匂いが鼻を掠める。
昔ながらの凄い強烈な匂いだ。
店内には『ラーメンの濱岡屋ー♪』なんてオリジナルの曲が流れている。
これ…なずなが前に歌っていた曲。
「…なずなとは、付き合い長いんですか」
券売機にお金を入れて食券を購入している菩提さんの横顔に、ふと尋ねてしまう。
この人は、なずなのことをよくわかってる。
嫉妬してるわけじゃなくて。
なずなのこと、この人に聞けば何でもわかるんだろうかと思って。
「うん。…なずなが母親のお腹にいた時から知ってる」
しかし、それは想像以上だった。
え?なずなが生まれる前から?!
「付き合い長すぎませんか?家族ぐるみとか?」
「…あ、俺家族いないんだ。網走の施設育ちなんだよ」
聞いてはいけないことでした…!