俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
「早く早く!」と、自称現役の膝を叩いて早よ座れと急かしてくるじいちゃん。
それをめちゃめちゃ躊躇っている俺。
それを見てるギャラリーは「頭取、早く伶士に会いたかったんだもんなー?」と、普通に笑っている。
誰もドン引きしていないのが、うちの一族だな。
「ロッカールームの番組、じさま大号泣してたよ。孫泣いてんの切ないって」
「………」
それ、もういいから…。
「頭撫で撫でしてやるから早う座れ!私の膝に!」
ますます躊躇うでしょうが。
しかし、そこへこの問答を仲裁するかのように、母さんが現れる。
「お義父様、何してるのですか…?」
じいちゃんに用事があってこっちに来たんだろうけど、膝をパンパン叩いている様子を見て首を傾げている。
それに気付いて、取り敢えずじいちゃんから膝の件は離れた。
「おう美織ちゃん、どうしたね」
「…あ、お義父様、道議会議員の桜谷先生がお義父様に挨拶したいと…」
「おぉ!ようやく国政に出る気になったか!」
フットワークの軽いじいちゃんは、すぐに席を立つ。