俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~



…だなんて、それはもう過去の出来事で。


今となっては、そこから離れてみて、物事を過去を冷静に見つめ直すことが出来ている。と、思う。

あの時の俺は、あの学園から逃れたくて必死だったんだ、とか。

…いや、吹っ切れたのはホント最近になってからなんだけど。



しかし、舞絵がここまでして乗り込んできてまで物申しに来るとは、予想外だ。

仲間意識が強いとはいえ、ここまで尾を引く?



確かに、公立高校への受験は誰にも言わずに一人で密に進めていた話で。

俺だけ2月末の高等部への進級試験は受けずに、3月頭の公立高校の受験日に学校を欠席したことで、その事実がみんなに発覚する。

学校の生徒たち…特にカトレア会のメンバーにその理由を問い詰められても、『サッカーをやるため』と、言い張り、それ以外は頑なに口を閉ざして、学園を去った。

何故予め打ち明けてくれなかったのか?

…だなんて、正直俺なんていようがいまいがどうでもいいだろ。

所詮、俺なんて家柄に負けているし、兄貴のおまけみたいなもんなんだから。

という、卑屈な考えもあった。


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