俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
冷静に応対しながらも、少し驚かされる。

まさか、兄貴と薫の話が舞絵の口から出てくるなんて。



そして、またしても驚かされることを舞絵は口にする。



「…それに、事の原因は、VIPとレディクラのことでしょう?調べはついてます」

「何でそれを…!」



確かに。

俺と薫がモメた原因は、薫がレディクラ入りを熱望していたことにある。

しかし、なぜ舞絵がそれを…!



すると、舞絵は不敵な笑みを見せる。

なずなに負けないぐらいの、恐ろしい笑みを。



「…伶士」

「な、何…?」

「…私達カトレア会は、この学園にメスを入れようと思っております」

「え…?」

「あれから私達は何度も話し合いました。時には泣き、時には叫び…あなたを失った悲しみは、これといっては語り尽くせません」

何度も話し合った?…何を?

泣き叫ぶって、いったいどんな話し合いをしてんだ。叫喚?

地獄絵図のような光景が目に浮かんだのだが。



それに、学園にメス…?



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