俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
「って、俺のことはもういいよ。こっちはこっちで楽しくやってるから。舞絵たちが気にすることなんてない。俺を失った悲しみはいいから」

「…伶士が幸せならそれで構いません。私達は伶士の味方ですから」

「っていうか、俺を失った悲しみって何」

「オホホホ」

「…何でそこははぐらかすんだ」



そして、そんなマジな話はそこで強制中断された感じになって。

そこからは、他愛のない世間話へとシフトする。

カトレア会の他のメンバーの話だとか。

舞絵お得意の著名人とお食事をして感銘を受けた話とか。



「オホホホ。伶士、オシャレなヘアスタイルしてるじゃないですか?髪、伸ばして染めたのですね?まるでプロサッカー選手みたいですわ!」

「あ、公立は校則ゆるいし…」

「…そういえば!サッカーの全国大会見ましたわよー!伶士、すごいじゃないですか!私、あの背番号10番は私の友人だって自慢して歩きましたわ!」

「そ、そう…」

そちらがご満足なら、それは良いことで…。


昔とは変わらない調子で話が進んでいくと、やがて時間となる。

ようやく舞絵の話を聞く時間は終わり…。



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