俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
「伶士、招待客リストには目を通した?」


隣を歩いていた兄貴に、ふと話し掛けられる。


「招待客リスト…あ、途中だ」

「へぇ…全部目を通しておかないとダメだよ?予期せぬ客が現れるかもしれないからね?」


予期せぬ客…もう、現れたわ。

その予期せぬ客のおかげで時間がなかった。



しかし、この後。

更なる予期せぬ客が現れるとは、この時は思いもよらなかった。

思いもよらないことばかり…。






パーティー開始時に一族全員並んでステージに立ち、新年のご挨拶をする。

ご挨拶とは言っても、代表でじいちゃんと親父が一人で喋るだけだけど。

俺らは、ただ後ろに立って最後に皆で頭を下げるだけ。

なんてことない。



パーティー開始のご挨拶も終わり、立食スタイルで暫し御歓談。

と、言いたいところだが、じいちゃんや親父や母さんにあちこち呼ばれて、個人それぞれにご挨拶。

毎年毎年同じ人に、同じご挨拶。

ぶっちゃけ、疲れる。

大事だってのは、わかってるけど…。



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