俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
一通りご挨拶も終了して、外れのテーブルで一人、水分補給をする。

ため息が出た。

もう疲れた…部屋に帰りたい。

そんな泣き言を思いながら、お茶を一気に飲み干した。

その時だった。



「あら伶士さん、お疲れのようですね?」

「…麗華さん!」



予期せぬ客が現れた。

しかし、それは嬉しい再会で。

ここ一番で、ちょっと気持ちアガる。



「本日はお招き頂きありがとうございます。伶士さん、あまり無理はいけませんよ?頑張り屋さんなんですから?オホホホ!」



舞絵にも劣らぬ、このお嬢様を思わせる高笑い。

いやいや、この人が元祖で舞絵はこの人に憧れるがあまり真似をしているだけ。



艶のあるロングヘアは、しっかりと縦巻きにセットされていて。

本日はパーティーだからか、メイクは少し煌びやかだ。ネイビーのサテンのワンピースと、お召し物は控えめだが。



オガサワラリゾートの令嬢、小笠原麗華さん。

現在は、北桜学園大学の二年生。

兄貴の同級生で、幼なじみ。



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