俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
「伶士さん、そこは心配なさらず!堂々と打ち明けても何の問題もありませんわ?」

「…そうでしょうか」

「だって、平民の子供たちは、あなたが橘グループの頭取の孫と聞いてもピンとこないはずですよ?」

「…へ?」

「平民のお子様たちは、逆に橘グループの偉大さを理解していない方々が多いと思いますし、打ち明けても『あっ、あ…そう』とか『あー。よくCMで見るやつ』ぐらいにしか思ってませんわ?」

「あ…」

そうか。

北桜学園の連中は、親が社長だったり著名人だったりでそっちの世界に通ずる奴らが多いが。

平民高校(…)の生徒は、橘グループ自体何かわからないのが多いってこと?

なるほど…。



「…ですので、恐らくお友達をおうちにご招待しても『でっけぇ家!』と騒ぐだけですわ?もし、お金をせびる者がいましたら、一層のこと大盤振る舞いするか、バッサリお断りして執事でも登場させれば良いのです」

「そうですか…」



友達…颯太やチカ、陣内を家に呼ぶ?

そんなのはもっての他だと思ってたけど。

案外、流してくれんのかな。

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