俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
一人で勝手に喋り勝手に嘆いている麗華さんの口から、耳をも疑いたくなるような発言が飛び出て、真っ青になる。
今、なんて…?
何で、麗華さんがその…兄貴と薫のこと知ってんの?!
すると、麗華さんは隠す様子もなく答えてくれる。
「昨年の秋頃に桜谷さんところの舞絵さんにお会いした時に話してらしたわよ?…あ、さっきもそこでお会いしましたわ?」
「舞絵が?」
「もう私、目の前が真っ暗になりましたわ…まさか、頼智がそこまで鬼畜とは…」
麗華さんは、「あぁぁ…」と、眩暈がしたかのようにフラッとしている。
舞絵のやつ…関係のない麗華さんの耳にその話を入れるとは!
「いや、でも麗華さん。その話はもう一年以上前の話ですし、俺は別に…それに」
「いえいえ伶士さん!もう大丈夫ですよ?あの破廉恥極まりない鬼畜男は、この私がやっつけましたからね?!」
「へ?」
怒る麗華さんを宥めようとしたが。
勢いプラス、思いもよらないことを返されて一瞬困惑する。
やっつけた?