俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
「そういうわけで、伶士さん?そんな古傷を癒してくれた素敵な姫君を、今度ぜひ紹介してくださいな?…あの愚かな頼智のことは放っておいて、楽しくやりましょう!」

「…俺がどうかしたー?」



(あっ…!)



意気揚々に俺に熱弁していた麗華さんだが、背後から登場したその声に、表情をガラッと変える。

「げっ…来た」と、お嬢様キャラが少し崩れた。

俺もその姿を見てギョッとする。

まさに、噂の人物!



「麗華、久しぶりー!俺が何なにー?麗華の口から俺の名前出たよねー?」



麗華さんの背後から突然登場したのは、兄貴!

ちょっと甘えた声で、麗華さんに顔を近付けて嬉しそうに話し掛けている。

相変わらず麗華さん好きだな。



そんな兄貴とは180度逆の態度を取る麗華さん。

物凄く嫌そうな顔をして、兄貴から目線も顔を逸らす。

相変わらず兄貴を嫌がってる…。



「…近い!…寄るんじゃありません!この鬼畜のクズ男!」

「えー?だって今俺の話をしてたしょ?」

「ええ、悪口言っておりましたのよ!」

「どんな悪口ー?俺の話をしてくれてるなら悪口でもいいー」

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