俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
「変なこと?例えば?」
「うん…変な音がしたり、声が聞こえたり…」
「変な音?声?」
「うん、パキッて木が割れるような音がしたり、声も『殺してやる…』なんて。寝てる時、金縛りにあったりもしたの」
「え…!」
殺してやる?それは、だいぶ物騒だな?
「あと…これ」
そう言って、薫はスマホの画面を見せてくる。
写真だ。
「これ…」
「パン!って、すごい音がしたと思ったら…壊れてた」
これは…見覚えがあるもの。
と、いうより。
俺が薫にプレゼントしたものだった。
旭川の動物園に行った時のおみやげ。
ペンギンのぬいぐるみ。
見るも無惨に首の付け根が破れて、そこから綿が飛び出している。
頸動脈をズバッと斬られたかのように…!
効果音『ブシャーッ!』みたいな。
ぺ、ペンギン様が…八つ裂きに!
なんてこと!ある意味大変だ!
「ごめんね…せっかく伶士から貰ったものなのに」
「いや、仕方ないだろ…」
ぬいぐるみが勝手に爆発?
これは、ヤバくないか?
それに、ペンギン様が殺られた…!
これは、常軌を逸した事態!
ペンギン様辻斬り事件…!(…)