俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
「…で、こういうのってどうしたらいいのかわからなくて…何か恐いし」
薫は、そう言って視線を落とす。
その横顔は、どこか怯えていた。
恐い?…いつもは強気なのに。そんな薫がビビってるなんて。
余程、恐ろしい思いをしたに違いない。
「そのうち無くなるのかな。それとも、お祓いしてもらった方がいいのかな?…伶士はどうだったの?」
「…え?俺?」
俺の件は…あれは本当に常軌を逸した事態だ。レアケースみたいに言われてたし。
でも、まさか親父の愛人が俺を襲ってきて、しかもかなり複雑な事情が絡んでいて…なんて、薫には話せないな。
俺の話は参考にならない。
うーん…。
この変な音や声が、そのうち無くなるのか、まだ続くのか。
お祓いをするべきなのか、どうなのか。
あの件ではただのクライアントだった俺には判断し難いな…。
その道の人ではないからな。
その道の人…。
(あ…)
…ここで、とあることを思い付いてしまった。
これは、もう。
これしかないだろ…!