俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
…まさか。

まさかのまさかで。

こんなカタチで、ヤツに連絡出来るとは思わなかった。

昨日は連絡すらどうしようか、あんなに躊躇ってウジウジしてたのに…!



なずなと話せる。



連絡する口実が出来て、ラッキー。

それに、話が進んで進んたその先には。

ひょっとしたら会えるかもしれない…!



ちょっと浮かれてしまった。

あまりにも嬉しくて、口元が緩んでしまう。

…いやいや。大事な話だからな?

ちゃんと話をしないと。浮かれてばかりいるんじゃねぇ。



発信ボタンを押して、スマホを耳に当てる。

ちょっと緊張する…。



数回コールした後。

ガチャッと電話が通じた。

…通じた!



「あっ…もしもし!」



電話の向こうは、ガチャガチャと物音や人の声がする。

出先か?



『…どした?』



その低い声は。

紛れもなく、ヤツ…なずなの声だった。

マジだ。マジでなずなだ…!



「…外にいるのか?今ちょっといい?」



外出先かもしれないと、気を遣ってしまう。

だが、ヤツは『あー…』と声を出していた。



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