俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
通話を終えたそのスマホの画面を、嬉しさいっぱいでしばらく見つめた後、それを手にしたまま、薫のもとへと戻る。



「伶士、どうだった?」



俺が戻ってきたことに気付いたのか、薫は振り返ってこっちを見て尋ねる。



「…大丈夫だって。来週の日曜日になるけど大丈夫か?」

「来週の日曜?午後から予定があるから、午前中なら大丈夫だよ?」

「わかった。じゃあそう向こうに伝えとく」

「うん…ありがとう」



薫はそう言って、笑顔を見せるが。

それはちょっとうつむき加減で、不安を残している。

…そりゃ、不安だよな。

ワケの分からん音や物音、しまいにはぬいぐるみ爆発とか、目に見えない恐怖に怯える気持ちは、俺も経験しているからわかる。



でも、そんな時に。

アイツが…なずながいたから。

守って助けてもらったから、あの時も今も、俺はこうして普通の生活を送っていられた。



だから、信頼してる。



「…薫、心配すんな。アイツに任せておけば大丈夫だから」



絶対、大丈夫。

アイツが居れば。



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