俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
…って、薫はあの時のことを、どう思ってんだ?

別に悪いことしたとか思ってないのか?

で、あの時のことなんてなかったかのように、困り事は相談される。

俺も随分雑に扱われたもんだな…。

って、今となっては、大体がどうでもいいことなんだけど。



だけど、俺も…なずなに会う口実として、薫を利用してしまったもんだしな…。

まあでも、薫が怪奇現象に困っているのは事実だし。



そんなわけで、一週間後。

なずなと会う。

…薫を連れて。



元カノを連れて、好きな人に会いに行く。



だいぶ変な構造だ。



しかし。

おみやげ、渡せるかな…なんて、まさに純情少年のレベルで期待に胸を膨らませていたのだが。

実は予想外の結果を迎え、修羅場を引き起こしてしまうとは、この時は想像もつかず。

この、浮かれ気分に突け込むかのように。



何着てこうかな…なんて、そんな呑気なことを考えて、恥ずかしくなって枕に顔を埋めている場合ではなかった。





一言で言えば。

女は恐い。







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