千景くんは魔法使い


「いただきます」

みんなで手を合わせたあと、さっそく料理をいただくことになった。私はまず具がたっぷり入っている餃子を口に入れる。

「わあ、ものすごく美味しいです……っ!」

次にエビチリと麻婆豆腐も食べた。辛さ具合が絶妙で、パクパクと箸が止まらない。

「ふふ、お口に合ったみたいでよかったわ。デザートに杏仁豆腐もあるから食べてね」

「いいんですか?杏仁豆腐も大好きです!」

「本当に?あ、この炒め物ね、隠し味が入ってるのよ」

「えーそうなんですか?私もいつか作りたいです」

「じゃあ、レシピ教えるね」

「ありがとうございます!」

この前はあまり喋れなかったけれど、今日はたくさん千景くんのお母さんと話すことができた。

そして、帰り道。外が暗くなっていたので、千景くんが家まで送ってくれることになった。

「……はあ、幸せだ」

私は膨らんだお腹を触る。

料理が美味しすぎて、私は遠慮もなくご飯までおかわりしてしまった。

< 108 / 166 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop