千景くんは魔法使い
「いただきます」
みんなで手を合わせたあと、さっそく料理をいただくことになった。私はまず具がたっぷり入っている餃子を口に入れる。
「わあ、ものすごく美味しいです……っ!」
次にエビチリと麻婆豆腐も食べた。辛さ具合が絶妙で、パクパクと箸が止まらない。
「ふふ、お口に合ったみたいでよかったわ。デザートに杏仁豆腐もあるから食べてね」
「いいんですか?杏仁豆腐も大好きです!」
「本当に?あ、この炒め物ね、隠し味が入ってるのよ」
「えーそうなんですか?私もいつか作りたいです」
「じゃあ、レシピ教えるね」
「ありがとうございます!」
この前はあまり喋れなかったけれど、今日はたくさん千景くんのお母さんと話すことができた。
そして、帰り道。外が暗くなっていたので、千景くんが家まで送ってくれることになった。
「……はあ、幸せだ」
私は膨らんだお腹を触る。
料理が美味しすぎて、私は遠慮もなくご飯までおかわりしてしまった。