千景くんは魔法使い
千景くんの✫*゚★.*。✫きもち


カレンダーは6月になり、梅雨の時季を迎えた。

今日は今月に行われる職場体験についての話し合いをしていた。

働く人と接することで社会に出る難しさや楽しさを知ることが目的とされていて、各職場につき、一グループ5人で行くことになっている。すでにグループは席替え同様にくじで決めた。

「ああ、なんで千景くんと一緒じゃないの……」

「ね。テンション下がるよね」

女子たちの声が耳に背後で聞こえてくる。

私のグループは桃ちゃんと千景くんと男の子ふたり。はっきりと確認したわけではないけれど、このくじ運の良さはおそらく千景くんの魔法によるものだ。

私だけこんなに居心地のいいグループでいいのかなって感じだけど、千景くんや桃ちゃんと一緒に職場体験ができることに浮かれてもいた。

< 57 / 166 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop