そして、次の世界へ。
妹は包帯だらけの手で
声がでない私を指さして、
震えた声で私を嘲った。

「人を救えないお姉ちゃんに
天罰がくだったみたいだね。」

その言葉に何も言い返せなかった。

言い返す権利さえなかった。

だって私の声が、
妹を自殺未遂するような
極限状態に追い込んだんだから。

『天罰がくだったみたいだね』

そうだ、これは天罰なんだ。

お母さんを壊した私。

妹を追い詰めた私。

その罪を見た神様が
私にこの罰を与えたんだ。

罪を償わなきゃ、声は戻らない。

だけど、償う方法なんて分からない。

私は一生、声の無い自分と
付き合っていくことになるんだ...。
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