そして、次の世界へ。
教室に行こうとすると、
ぴたりと足の動きが止まる。

どれだけ前に進もうとしても
そこから動けなくなる。

教室に入らなきゃいけない。

頭ではちゃんと分かっているのに
身体がそれを拒否するんだ。

『澄香、動けないの?邪魔。』

『え、だっさ。どけよ。』

中学の時のクラスメートは
廊下の真ん中で途方に暮れて
立ちつくしている私を見捨てた。

学校に行けなくなった私は
登校することを拒否しようとして。

部屋に籠っていると真澄が
ドアの外から叫んだ。

『自分のことは守るんだ。
妹のことは守れないくせに!』

ハッとした。

妹を守れなかった私に
登校を拒否する資格なんてない。

そう思ってしまったんだ。
< 16 / 45 >

この作品をシェア

pagetop