そして、次の世界へ。
晴菜のことをぼんやりと
考えていると、ふいに
甲高い声が耳に飛び込んでくる。

「莉那、疲れないのー?
優等生っぽく障がい者の相手
なんかしちゃってさー。」

相藤 芽瑠、通称めるりん。

クラスのリーダーで障がい者を
毛嫌いしている彼女は、
場面緘黙症の私をまるでゴキブリ
でも見ているかのように扱う。

なんでそこまで障がい者を嫌うのか、
その理由は知らないけれど
あまり好きではないタイプだ。

坂井さんは相藤さんの方に
向き直るとピッと親指を立てた。

「ぜんっぜん疲れないよ。
むしろ楽しいって思ってるかも。
篠ちゃん、メールとかで話すと
めっちゃ面白いし可愛いし!」

メールは相手の顔を見る必要が
ないし家に居るときなら
普通に坂井さんとも会話が出来る。

坂井さん、優しいな...。

相藤さんに嫌われたりしたら
クラスから疎外されるのに。
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