そして、次の世界へ。

さらっさらでつやつやの黒髪に
少しつり上がった涼やかな目元。

見た目は正統派イケメンなのに
緘波くんはチャラけている。

委員長なのに校則違反して
カバンにストラップつけたり、
ピアス付けてきたり。

微妙に校則を破っていくのが
緘波くんにとって面白いらしい。

『ちょっとずつ破ってくのが
楽しいの、大胆なのはダメなの。』

と彼が他の男子に言っているのを
聞いたことがある。

｢みはやぁ、髪染めてみろよ。｣

｢絶対に似合うって。｣

緘波くんの下の名前は、みはや。
深早って書くらしい。

｢えー、髪は染めたくねぇよ。｣

｢いいじゃんお前イケメンだし。
赤メッシュとかいれよーぜ？｣

赤メッシュの緘波くん...

想像して私は思わず内心で苦笑。
例えようもない違和感がすごくある。