そして、次の世界へ。
「謙遜しなくていいよー。
篠ちゃんすっごく美人だし、
髪の毛とかふわっふわじゃん。

何この天使って感じだよ?
死ぬほど可愛いよ?

うちのクラスの男子じゃ誰も
釣り合わないってくらい。
あ、強いて言うなら緘波かな?」

熱く語る坂井さんに私は
恥ずかしくなって視線をそらす。

美人なんて、そんな訳がない。

それなら黒髪ストレートで
高身長の坂井さんの方がよっぽど
大人っぽい美人だ。

坂井さんに手を引かれて
私たちは教室を出る。

「篠ちゃん、屋上いこ?」

その声に1つまばたきをした。

手を引かれたままゆっくりと
階段を上って屋上にいく。

屋上の入り口のドアを後ろ手で
閉めた瞬間、私の身体にあった
縛りがふわりと解けた。
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