そして、次の世界へ。
「私は...障がいを持ってる。
誰かに好かれるようなところ
なんてないから...。」

でしゃばってはいけない。

坂井さんが優しくしてくれるから
って友達だと思っちゃいけない。

みんな、私を利用しようとしてる。

私のことを気遣っていれば
自然と内申点が上がるから。

とりあえず顔あげてよ、と言われて
顔をあげると、坂井さんは今にも
泣きそうな顔をしていた。

「篠ちゃん、もしかしてさ。
私のこと嫌いなの?」

坂井さんに尋ねられて
私は驚きつつ首を横に振る。

「そんなわけ、ないよ。
坂井さんはいつも私に教科書を
見せてくれたり

休み時間に話しかけてくれたり
メールしてくれたりする、から。

そういうの、嬉しい...。」
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