そして、次の世界へ。
言いながら自分でもなんだか
恥ずかしくなって下を向くと
坂井さんはハァ、とため息をついた。

「なんなのこの無自覚天使...。」

何事か小さい声で呟くと
彼女はずいっと
顔をこちらに近付ける。

「私は、内申点なんかのために
友達を選ぶようなことはしない。

もともと馬鹿だから内申点なんて
あってもなくてもいいし。

好きだから、篠ちゃんといるの。
好きだから、友達でいたいの。
ねぇ。私の今のこの気持ち、
ちゃんと篠ちゃんに伝わってる?

自分を否定しないでよ。
自分で自分の価値を下げる
ようなことしないで。

篠ちゃんは私にとって
自慢の友達なんだからね?

あと、坂井さんって呼ばないで。
そろそろ下の名前にしよ。
私のこと莉那って呼んでよ、澄香。」
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