そして、次の世界へ。
坂井さん...私のこと
そんな風に、思ってくれてたんだ。

「ありがとう、坂井さ...」

「んも、違うってば!
坂井さんって呼ばれるの
なんかよそよそしくて嫌だよ。」

だって呼び捨ては
あまりにも失礼だし...

「......莉那、ちゃん。」

ほとんど聞き取れないような
小さな声で言うと、莉那ちゃんは
ニコッと笑った。

「ほんとは呼び捨てしてほしいけど
OKってことにしてあげる。
澄香、これからもよろしく!
そうと決まったら1限はサボるぞ。」

「うん、って。えぇ、サボるの?!」

莉那ちゃん、私のこと澄香
って呼んでくれてる。

授業ってサボっていいのかな?
今までサボったことないのに。

戸惑っていると莉那ちゃんは
ふふっと笑って私のおでこを
つんと押した。
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