そして、次の世界へ。
茉澄は少し不思議な子だ。

私より2つ年下で中2の茉澄は
趣味で物語を書いていて、

休みの日にはいつもシャーペンを
持って原稿用紙に向かっていた。

私は近くの私立の女子校だったけれど
茉澄は女子校が嫌だと言って
少し遠い公立の学校に自転車で
通学している。

茉澄は学校でも休み時間に
小説を書いていて少しクラスで
浮いた存在らしい。

そんなことを噂好きの同級生から
聞いたときには単純に驚いた。

茉澄の学校では小説を書くのが
好きなだけで浮いてしまうのか、と。

私の通っていた中学校は
みんなお互いの趣味にはとやかく
言ったりしなかったから、
公立の雰囲気が分からなかったんだ。

やがて茉澄はクラスで孤立して、
挙げ句いじめられるようになった。
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