君だけは違うから
どういうことって言われても
「どういうこと?言われたの?告白されたの?」
え、あ…
なにも言えずに下を向く
これじゃ肯定と同じこと
「…されたの?誰に?」
え、言わなきゃダメ?それ
「誰だっていいでしょ」
「よくないよ!」
うわ!びっくりした
予想より大きな声に足が止まる
「誰にいつ告白されたの?もう返事したの?付き合うの?そいつのこと好きなの?」
た、たける?
「ねぇなぎ、答えてよ。誰に言われたの?」
なんでそんなに必死な顔してるの?
だって健には関係ないはず
健は彼女作るんでしょ?
だったら私が誰とどうなろうが関係ないでしょ?
中途半端なことしないでよ
「なぎ!」
「健には関係ないでしょ!!」
少し響いた私の声
「健はどうせ明日にでも彼女作るんでしょ?だったら私が誰と付き合おうが関係ないじゃん
なんでそんなに必死になってるの?」
私は健のことが好きなの
健の一言にも行動ひとつにも感情が大きく揺さぶられるの
だから変なことしないでよ
普段は見せないような表情向けないで
苦しそうな顔なんかしないでほしい
私が誰かと付き合ったら嫌なのかなって思っちゃうから
「なぎ…」
「突き放すならちゃんと突き放して」
お願いだから
これ以上好きになりたくないの
足を止めたままの健を置いて一人進む
私だってっ…
はぁ…なに必死になってんだろ
忘れよ