君だけは違うから
翌日
足の進みが心なしか遅い登校の道
何度目かのため息をこぼす
いつもなら彼女のいない健とは一緒に登校する
だけど…
流石に昨日の今日では一緒に行けない
おそらく健は今日頃彼女でも作るんだろうな
気が重い
下駄箱につき、ブルーな気持ちのまま靴を変える
「おわ…おい大丈夫か?顔死んでるぞ」
「杉崎…」
下駄箱で私の頭に肘を置き、顔を覗き込んできたのは杉崎だった
「なんかあった?」
そうね
大方あなたの告白の件とかで悩んだんだけどね
「もしかして俺のせい?」
「杉崎のこともすごい考えたよ」
「…そっか」
満更でもなさそうな少し上がった口角を至近距離で見た
「はぁ、お気楽でいいね」
近くにあった顔をグイーッと押す
「なんだよーお気楽でたまるか。俺の方が昨日頭抱えてたんだからな」
「なんで」
「お前からいい返事がもらえますようにって柄にもなく神頼みしたよ」
…
そ、そういうこと簡単に言わないでほしい…
「神頼みとか…ダサいね」
ちょっと無理やりな照れ隠しだったけど
顔を逸らして赤面を隠す
「俺お前のそういうとこ好きだわ」
「ん"っ」
やめろ
やめるんだ少年
燃えるぞ、私が
でも私が燃える前に、私の意識は杉崎から別の人物に移動することになる