君だけは違うから



最初になぎに告白されたのは中学の頃だった


『健の彼女になりたい』


そう言ってきた


めっちゃびっくりして、ちょっと混乱して


それで、なぎと付き合う自分っていうのを想像した



正直ありえないだろっておもった


だって家族みたいなもんじゃん


俺の姉ちゃんみたいなものじゃん


いつも俺を守ってくれるし頼りになる



だって彼女になったら俺が守らなきゃでしょ?


俺はなぎの背中が好きなんだよ

ずっと俺を守ってくれてたなぎの後ろにいるのが好きなの


彼女にしちゃったらそれができなくなるんじゃないかって不安になって

笑ってごまかした


なぎは呆れたようにそっかって言って

それからはいつも通りだった




ても、正直嬉しかった


なぎが俺のことを好き



そう考えるだけでめちゃくちゃ力が湧いてきて、1日がんばろうって思える


高校に入って、俺が彼女を紹介すると少し落ち込んだような、ちょっと不機嫌なような顔をして笑う


その顔が果てしなく可愛くって


嫉妬から来てるって分かるようになったらもっと見たいって思っちゃって


彼女ができるたびになぎに紹介した


フラれたって泣きつけば慰めてくれて


『私じゃダメ?』


って、ちょっと緊張しながら言うんだ


その顔がすごく好きだった



なのに…

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