君だけは違うから



自分が結構やばいこと考えてるなって実感しながら下駄箱につく


はぁと何度目かのため息をこぼして靴を変える



「ーーっ」







なぎの声?



なぎの声だ!



耳をかするように通った声にビクッと体を反応させ、その声が聞こえた方へ向かう



謝らなきゃ


昨日ごめんって言って、なぎがいないとダメだって言わなきゃ


そうすればなぎはまた俺のところに帰ってくる


くしゃっと笑って許してくれる


なぎのクラスの下駄箱が見えた


だけどなぎがしっかり見える位置に来た時、俺の足は止まった





だれ?



なぎの頭の上に腕をのっけて笑っている男


なぎの耳は赤くなってそっぽ向いてる


あの動きは…あの表情は…照れた時だ





会話が聞こえる



「お前からいい返事がもらえますようにって柄にもなく神頼みしたよ」


…返事?


そうか、告白した人って…


誰かはわからないけど親しくなぎと会話を交わす様子は俺をイラつかせるには十分だった


「神頼みとか…ダサいね」


たまに俺に見せる照れたような顔…


「俺お前のそういうとこ好きだわ」


…っ


なんで


その人だれ?



その顔俺以外の人に見せないでよ



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