君だけは違うから
「ねぇ健!付き合ってよー!私健のこと好きだよー」
その言葉を受けたのはぼうっとして1日がすぎた昼休みのことだった
朝の出来事を自分でもあんまり理解できていないうちに
いつの間にか昼休みになってた
「いいでしょー?」
…
いつもなら全然いいよって言うところだけど
今はなんかそんな気になれない
なぎと仲直りしてないし
それに…もし俺が新しい子と付き合ったら
なぎもあの男と付き合うかもしれない
俺が、もしなぎに俺と同じように彼氏とか言って男を紹介された時
なぎのように笑って『おめでとう』なんて言えない
…絶対その男のこと嫌いになる
「ごめんちょっと待って…」
「健?」
…え、でもどうすればいいの?
俺はどうすれば…満足できるんだ?
なぎを…なぎが誰かのものにならなければ良いの?
え、じゃあ自分のものにすれば良いじゃん…
いや…それってどういうことになるんだ?
なぎと付き合うってこと?
それは…できないよね
だって俺はなぎのことを恋愛対象では見てないし
さっきから永遠と自問自答を繰り返す
…
なぎが誰かと付き合うのは嫌だけど…俺がなぎと付き合うのも違うってことだ
なんだそれ…
流石の俺でもおかしいってわかるぞ
なんなんだよこの気持ち
でも正解不正解関係なく…
なぎがあの男と付き合うのだけはダメってことはわかる