君だけは違うから
「たぶん…本当に好きな女の子とこういうことするのは初めてだと思う」
…え?
「女の子は好きだけど…色んな子と付き合ってきたけど…」
?
不意に私を見た健の熱を持った目に体が固まる
「渚だけは違うから」
へ
「私だけ…?」
「うん。渚だけは他の子とは違うんだよ。なんていうか…全部が」
健の熱を帯びた目をもう一度見てトクンと音を立てる胸
本当にバカな人だな
「好き」
思わず漏れた心の声
だいぶ小さな声だったけど、もちろん健は聞き逃さなかった
「…渚さ…俺幼馴染みって言っても男だからね?ずっとベットの上にいたりなんかしたら襲うよ?」
!!?
ヒュッと息を吸う
からかいの表情など一切ない、真剣な目で見られると分かっていても動けなくなる
「じょ、冗談やめてよ」
必死でそう言ったけど
逆効果だったかもしれない
「冗談じゃないって…教えてあげようか?」
ぐっと近づいた健の綺麗な顔にドキッとする
ちょ、待って私はまだ完全に頭の整頓を終えていないの
「健っま、待って、まだいろいろと」
「色々ってなに?」
じりじりと近づいてくる健に慌てる
「だから私まだ杉崎…あ」
やばっ
「アウトー」
ぐっと肩を下に押される
バランスを崩して倒れ込む
これはまずいと思ったけど…
健の私を見る優しい瞳に、その低い声に
共鳴するみたいに心臓が切なく鳴く
この人が好きなんだ
そのまま近づく健に全てを委ねるように体の力を抜いてしまった