君だけは違うから



「それでねーその女の子がねぇー」


イキイキと本日の出来事を、主に女の子のことを楽しそうに話す健


女の子の話なんて聞きたくないなって…だいぶ前までの私は思ってたけど


なんか最近は普通に聞けるようになった


それよりもあまりにも楽しそうにどうでもいいことを話す健が微笑ましくて


思わず顔の筋肉が緩む


「それで…ね……」





不意に言葉のなくなった健


どうしたんだと思って健の方を見ると


バチっ!


うお!な、なんでこっち見てんの


激しく目が合い、慌ててそらす


「な、なに?」


「いや…そんな顔してたんだって、思った」


はぁ?


「なに言ってんの?頭大丈夫?」


私の顔なんて飽きるくらい見てるでしょ?


「…あ、ごめん。なんの話してたっけ」


「告白してきた女の子の話」


言わすなバカ


「あ、そうだねえっと…」


再び話し出す健


なんだったんだ


「告白ってさ何回目でも緊張するよね」


知らぬ


同意を求めるな


こちとら一回しかないんじゃ



…そう、一回あるんだ


どうしよ


ちょっと忘れてたそれを思い出して頭を抱える


全然解決してなかった


やばいどうしよ



…健なら…なんか分かるかな


隣で告白について語る幼馴染みを見上げる


告白され慣れてるだろうし


幼馴染みの悩み事くらい…たまには聞いてくれるかな


「…た、健」


「ん?」


…一世一代の悩みなんです


「えっとね…もし、ね?友達だと思ってた人に…告白とかされたら…どうする?」


今までだってあるでしょ?

友達だと思ってた子に告白されたことなんて健ならいっぱいあるんじゃない?


「…え?」


え?…え?と来たか

えっと


「ずっと、友達だと思ってた人に…」


「それはわかったけど」


わかったのかよ


「どういうこと?」


ん?


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