『告白すら告白と認められない私と…
軽い言葉さえ告白と認められる他の子と』
焦れったくて、もどかしい恋心。なぎのことを思うと、胸が張り裂けそうになるくらい苦しい。心が締めつけられたみたいに痛くもなりました。
「恋って、なんだろう?」
誰もが一度は直面したことがあるであろう、この難問。それの答えがこの作品には隠されていて。甘さだけではないのだと、苦さも流れる涙も、全てが想いなのだと教えられました。酸っぱかったり苦々しかったり。色々な味がある。
なぎと健の揺れ動く繊細な気持ちが煌めき溢れた美文で綴られていました。だからこそ、感情移入をしてしまう。叶わぬ恋をする、なぎを心から応援したくなる。久しぶりに恋の淡さを思い出させてくれた本作品に出逢えて、『幼なじみ』という関係にも憧れを抱きます。
二度目の読了で初めて気づきました。この言葉には、二つの意味が隠されていたのだと。『君だけは違うから』