闇の中の太陽
『はあ、ところで何の仕事をしてるんです
か?』

『あぁ、私達は、デイトレーダーなんです
よ。私達は現地に行ったりするんです。だか
ら、よく飛んだりするんですよ』

『へぇ、そうなんですね』

『すいません。お騒がせしてしまって』

『もう構いませんよ』

親戚の人達に、旦那さんが謝っていた。

私は心の中で、自分を叱っていた。

ほら、やっぱり大人は裏切るんでしょ。

馬鹿ねー美蘭、信じるだけ無駄なのに。

そうしているとあの女の人が近づいてき

た。

『み、美蘭ちゃん』

『……………』

『ごめんね』

『構いませんよ。別にあなたの所に行くわ
けじゃないので』

『……っごめんね』

『美蘭ちゃん』

旦那さんがやってきた。

『はい』

『期待をさせてしまって、すまない。ただ妻
の気持ちは本当だ。この気持ちだけは信じてくれないか』

『……はい…』

『ありがとう』

そう言うと、旦那さんは周りに聞こえるよ

うに親戚の人に言った。
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