闇の中の太陽
『今回の件は妻が迷惑をかけてすいません
でした。ですが、美蘭ちゃんの件はもう一
度しっかりと話しあってください。先程の
ような事にならないようお願いします』
『…はい』
『では、失礼します。さあ、行こう』
『……っ失礼します!』
バン、っと音を立てて戸を閉めていった。
大広間にはなんとも言えない空気が流れていた
途端におばさんたちがヒソヒソと話し始める
『どうする?』
『さっきの事もあるしね』
『施設に入れたなんて聞いたら、あの奥さ
んがまた、騒ぐわよ』
『それは迷惑ね』
再び、話し合いが行われた。
その結果、私の母のいとこにあたる人が引き取ってくれた。
『よろしくね、美蘭ちゃん』
『はい、ご迷惑になると思いますがよろし
くお願いします』
気の弱そうな人だな。
それが第一印象だった。
それから、この家にお世話になっている。
この家には私の一学年下の子がいる。
けど良くは思われていないらしく
『私、あんたのこと、嫌いだから』
初めて来た日、そう言われた。
さらに奥さんもよく思っていないらしく、
『あんな子、なんで引き取ったのよ!』
『け、けど』
『けど、じゃないわよ!大体あなたが断ら
ないからよ!だから会社でもいつも面倒な
仕事を押し付けられるのよ!!』
『そ、それは関係ないだろ』