闇の中の太陽
教室に帰るとSHL(ショウトホームルーム)が始まる直前だった。

「やっと帰って来たわね!またあなた達なの!」

真面目を絵に書いたような委員長がやってくる。

「まーまーそんな怒んないでよ。莉恵(りえ)ちゃんー」

「怒ります!それにあなた達タバコ吸ってたでしょ!」

「えー?なんの事ー?」

友梨の白々しい演技に笑いそうになる。

「ちょっと森宮さん!あなた何笑ってるの!」

「えー笑ってないし、吸ってないしー。てゆうか、この学校で正義感振りかざさないでくれるー」

「なっ、ど、どうゆうことよ!」

委員長が動揺する。

「んーそのまんまだよー。まーそろそろ座んないとSHL始まるよー」

その言葉で委員長が慌てて席に戻る。

うちの学校はいわゆる底辺校だ。不良が6割。残りの2割は就職希望のやつら。
そしてあの委員長みたいな受験に失敗したやつらが2割いる。だから大きな問題を起こさない限り大人からは何も言われない。
一応、タバコは注意されるが、見えない所で吸えば注意されない。だから結構なやつらが吸っている。

煩わしい委員長がいなくなって席に座る。

「ちょっと、言い過ぎだよー委員長ちゃん落ち込んでるじゃーん」

「やめて、語尾伸ばすな。愛璃思い出す」

「あーごめん。忘れてた」

「別にいいけど」

そこに担任が入ってきて話は終わった。

担任の話を流しながら窓の外を見た。

嫌みったらしく輝く太陽。嫌でも夏だってわかる。

ため息をつきながら、一日が過ぎてった。
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