闇の中の太陽
「大丈夫だよー竜哉さんが言ってたような事ないしー」

「んーそれならいいけど」

そういいながら学校を出て行った。

「じゃーこっちだから」

「あーそっか。じゃ」

「じゃ」

友梨と別れあの家に帰ると誰もいなかった

よかった。

自分の部屋に入ってスマホの某トークアプリを開いた。

“アイツら”にメッセを送る。

〔今から行くわー〕
〔おつー、わかった〕

“アイツら”に褒めてほしくて長袖だけど少し露出が多めの服を選んで、少し濃いメイクをして髪も巻いた。そして“アイツ”が好きだと言ってくれた香水をつける。

鏡で自分の姿を見直す。

オフショルの黒の薄いニットにダメージジーンズのショートパンツもちろんタイツは履いている。メイクはぐっとビューラーで巻いたまつ毛にマスカラを心無しか多めに塗り唇は“アイツ”がくれた真っ赤なリップを塗っている。

いつもは浮いてるミルクティー色の髪もこの格好ではちょうどいい。

この服もメイクも髪も全部“アイツら”が褒めてくれた。

鏡の中の自分は自分じゃないみたいだ。

黒のポーチを持って部屋を出た。

玄関でヒールの高い靴を履く。

大丈夫。かわいいかわいい。

ドアを開けると“アイツ”が迎えに来てくれていた。

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