闇の中の太陽
顔を仰いでいたら侑哉に手を引かれてベランダに連れて行かれた。

「ちょっと、何?そんな嫌だったの」

「…ほんっとやめろ!……そんな煽んな…嫌なわけないだろ」

侑哉が抱きついてくる。耳が赤い。

「アイツらの前であんなかわいいことすんな。俺の前だけでやれ」

今度は私が赤くなる番だった。

「は、早く食べよ。そ、奏太が二個作ってくれたよ」

「ん、食べるか。ごめん、美蘭、栓抜き取って」

「ん」

「ありがと」

ほんっと腹立つ。赤くなってもすぐに余裕の表情になってる。私ばっかりずっと赤くなってる。

忘れるようにお酒を飲む。こってりとした缶チューハイの甘さが口の中に広がる。
口直しにキムチスープを飲む。やっぱりおいしい。

侑哉の方を見ると酒ビンを持つ姿さえ絵になってる。

月の光が侑哉のネイビーの髪に当たって輝いている。

綺麗だなぁ

「美蘭、何見てんの?」

「は、はあ⁈べ、別に見てないし」

不意に侑哉に話かけられて、かわいくない言葉が出る。

「美蘭チャーン、ツンデレですかー?かわいーですねー」

「ち、違うし!って、キャ!」

侑哉にお姫様抱っこをされる。

「ちょ、降ろして!酔ってんの?」

恥ずかしくなって侑哉を軽く殴る

「んー暑くなったからアイツらの部屋帰る」

「じゃあ、普通に言えばいいじゃん!これする必要ないでしょ!」

かわいげのない言葉ばかりが出る。
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