闇の中の太陽
ぶつぶつと文句を言いながらカウンターに行って探してくれるからやっぱり寛樹は優しい。

それにまた気づいて、泣きそうになった。

「おまえ、なんでまた涙目になってんの」

「絢也!久しぶり!」

「っっ、あーよう久しぶりだな」

「ほんとだよーどこ行ってたの?」

「あー前の“族”に駆り出されてな」

「えーまたぁ?あんた、見た目の割に案外、面倒見いいよね」

「あ、俺は見た目もいいだろ」

「いや、顔面凶器だよ!」

酒を持ってきた寛樹がちゃちゃを入れてきた。

「あぁん。おめーが言うか。見た目中学生のくせによぉ。俺の身長抜いてから文句言いやがれ!」

「ふざけんな!だれが中学生だ!って言うかおめーの身長抜くったら一生無理じゃねーか」

「はん、せいぜい泣き言ほざいてな!」

「おめーもう酒返せ!」

そう言いながらぎゃいぎゃい騒いでいた。

「はーったくあの2人はほんと子供みたいだよな」

なあ、美蘭。と、奏太が同意を求めてきた。

「でも、確かに、絢也の身長抜くのは結構難しいよね」

絢也の身長は190センチ近くある。

172センチの寛樹にはかなり無理な話だ

「確かになー俺でも無理かもなー」

「えー奏太はいけるでしょ」

実際、奏太は188センチはある。

ちなみに侑哉は185センチだ。

「ったく、うるせーなー。おい絢也、さっさと“あの族”の対策立てるぞ」

「うぃー」

侑哉が気だるそうに絢也を呼んだ。


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