闇の中の太陽

別に母から愛してほしいわけじゃない。と
いうか、絶対にないだろう。

私は母の遊びで出来たイケナイ子、いらない子だから。

周りの大人に言えば直ちに救いの手が差し
伸べられるだろう。けれど、私はそれをし
ない。したくないし、出来ない。

10歳の時一度だけ逃げだそうとした。助けてもらおうとした、けれどその後すぐに捕まって、さらに酷く殴られた。

あの時のことは一生忘れない。

地獄だった。

その後からもう反抗することはやめた

そしたら、殴られる回数が減った。

母達は私が嫌がり、逃げ惑う姿を見て楽しんでいるのだから。

もういいや。

そう諦めると楽だった。母達も最初は、笑いながら殴るけど、すぐに飽きてくれる。

だから私は、大人になるまでは、この
状況を耐えることにした。今の小学校を卒業して中学も高校も卒業したら、すぐにこんな家出て行ける。

それまでの辛抱だ。

家を出たら顔も知らない父を訪ねてみよう

そんな期待を胸に抱きながら、私は眠りについた。

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