転生したら極悪非道な皇帝の妻になるが実は、ただのツンデレでした!?(9/29に修正済み)
ダイニングルームに着くと私とついてきたアミーナ、
エレンが隠れて中の様子を伺った。
こっそりと覗くと……あ、本当だわ!!あの男が居た。
しかし、どんよりとした表情で食事をモゾモゾと食べていた。
なんて言うのだろうか……暗い。
極悪オーラのはずなのにどんよりとした雰囲気で
下を向いて食べている姿は、ぼっちみたいだ。
学校で1人に居るのが好きな人ならいいが
友人が1人も居らず孤独に食べているクラスメートを見ているような気持ちになってきた。
すると側近で執事のロンがあの男に話しかけていた。
「陛下。だから言ったじゃないですか?
もっと愛想良くしないと皇后様に嫌われると
何故あのような態度になったのですか?」
「……仕方がないだろ。緊張していたんだ。
それにあれぐらいで逃げるような女なら俺の妻として相応しくない」
「また……そのようなことを。
ギリギリまでこっそり練習していたの知ってますよ?
なのに、真逆の事を仰るから現に皇后様は、部屋に籠ったりきりではないですが……」
「うっ……うるさい。黙っていろ」
ムスッとするあの男だったが、明らかに態度が会った時と違い動揺していた。
えっ……あれがあの男なの!?
それに2人の会話だとあの腹の立つ程度は、
本音ではなく緊張して真逆な事を言ったってこと?
しかもギリギリまで言う事を練習までして……。
「ねぇ、話した通りでしょう?
あれが陛下の素なんですよ。意地っ張りだから
つい本音が口に出さなくなっちゃったみたいです。
ユリア様。どうでしよう?
あのままでは、食事が喉を通らなくなりますし、陛下のためにも……一緒に食事をなさっては?」
「で、でも……」
エレンは、そう言ってくるがさっきまで
凄く酷い事を言ったのよ?それに……そんな義理はない。
私は、アース帝国のために来た訳で、あの男がどうなろうが知ったことではない。
しかし……。チラッとあの男を見る。
さらにしゅんと落ち込み、ぼっち感が加速している。
何だか逆に可哀想に思えてきた。
ダメダメ。そう思うのだが……こういう人を見ると放っておけない性格だ。
学校に、こういう生徒を見ると構わず声をかけていた。
副会長や副主将としての性分か……。
うーん。かなり自分の中で葛藤する。
何で私が……こんな奴のために?嫌よ……でも。
結局我慢が出来なくなり私は、仕方がなく
長いダイニングテーブルの向かい側の席に座った。
非常に気まずいが……。
するとロンとあの男は、驚いた表情をしていた。
「皇后様……」